大判例

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東京高等裁判所 昭和46年(行タ)1号 判決

頭書控訴事件<編者注・昭和四四年(行コ)第四三号健康保険並びに厚生年金保険者資格喪失日決定取消及び裁決無効確認等請求控訴事件>記録を検討するに、被控訴人ら提出の昭和四五年一二月一五日付準備書面には、控訴人と訴外法人間の雇傭契約が昭和三四年四月末日合意解除された旨の予備的主張の記載があり、右準備書面は第五回口頭弁論期日で陳述されていることが明らかである。そして右準備書面には、予備的主張の根拠となる事実を、同日までに提出援用された証拠を引用して列記してあり、これによれば、被控訴人らはすでに弁論に上程された事実を基礎としたあらたな法律上の主張を開陳したしたものと認められる。

右予備的主張が申立人のいうような経緯でされたかどうかは疏明上不明であるが、申立人のいうとおりであつたとしても、裁判所が、すでに提出された証拠資料等からみて別個の法律上の主張が可能であると思料した場合に、当事者に対してその法律主張を示唆することは、釈明権の範囲内の処置であること疑の余地がないから、本件で西川、園部両判事に裁判の公正を妨げるべき事情があるということはできない。したがつて本件忌避申立は理由がないので主文のとおり決定する。(近藤完爾 田嶋重徳 吉江清景)

(別紙)

申立の趣旨

裁判官西川美数殿及び園部裁判官を忌避することは理由がある。

旨の裁判を求める。

申立の理由

一、申立人は控訴人となつて東京都知事外二名に前記裁判を求めるものであるが控訴審になつてからの裁判は控訴人が訴外事業所と合意があつて退職したように主張してみては、どうかと東京都知事の指定代理人に明言し、その際東京都知事の指定各代理人も一体何を言つているのか不審がつていたが裁判長がそのようにいわれるなら次回にそのように主張しますなどといつて弁論が続行されたものであつてこのような対立関与の相手方が第一審でさえ主張しなかつた事実しかも虚偽事実を立論として弁論を指示することは、たとえ本件のように公共性の強いと解される行政訴訟においても公平な裁判がなされるとは言えず、公平な判決を期待し難いといわなければならない。

二、ところで右陪席の園部裁判官は本件担当の裁判官と解され法廷で西川裁判長と相談のうえ右公平を欠く偏頗な裁判をし併せ公平な裁判をすることが期待し難いと確信されることから控訴人の本件申立は理由があるものと思料するので取あえず本申立に及びました。

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